第6回 マイクロカウンセリング技法を1級キャリアコンサルティング技能士実技試験 面接に活かす③
はじめに
第6回では、2階層目の傾聴技法です。基本的傾聴の連鎖とは、開かれた質問、閉ざされた質問、クライアントの観察技法、はげまし、言い換え、要約、感情の反映の技法になります。
1.開かれた質問、閉ざされた質問
開かれた質問は、「どのように?」や「何を~?」「なぜ~?」と尋ねたり、
「それについてもう少し詳しく話してくださいませんか」という表現です。
閉ざされた質問は「はい」「いいえ」で答えられる質問です。
事例指導者は、5回目でお話しした、かかわり行動の言語的追跡によって、
事例相談者がどのような相談者のカウンセリングを行ったのか、
どのように対応したのか、を開かれた質問や閉ざされた質問によって引き出すことになります。
多くの情報を引き出すには、開かれた質問が有効ですが、どのように対応したかを押さえるためには、意図した確認のための閉ざされた質問が必要となります。
2.クライアント観察技法
観察によって、質問に対する事例相談者の応答の言葉と表情・態度との間の矛盾点や変化に気づくことが面談のロールプレイングでは重要です。特に矛盾点については、確認が必要となります。
3.はげまし、いいかえ、要約
はげまし、いいかえ、要約は、共感の基礎となる技法です。はげましは「ええ、それで?」といったものから、短く繰り返す、うなずきのような「非言語」によるものとがあります。
かかわり行動の姿勢を保ちつつ、しっかり事例相談者の事例報告を聴きましょう。
言い換えは、事例相談者が語ったことの本質をフィードバックします。
相談者が語ったことなのか、事例相談者が対応したことなのかを明確に言い換えます。
要約は、面接の中ほどや最後に今回語られた内容を対象として用いたりします。
面接のロールプレイ約10程度で、相談者の人物像と事例相談者の対応、主訴が語られますので、要約を入れましょう。
4.感情の反映
事例相談者の言語化されない感情を注意深く観察し、それをてがかりとして、事例相談者の感情に注意を向けてフィードバックします。
「〇〇さんとしては、事例相談者のこれからのことを思って、転職の話をすすめられたのですね。」
参照)マイクロカウンセリング技法 事例場面から学ぶ 福原眞千子監修 風間書房