内藤友子 OFFICIAL BLOG

キャリアコンサルタント資格・メンタルヘルスについて

第21回 2級キャリアコンサルティング技能検定面接対策 ロールプレイの効果的な進め方1 事実の確認

今年は、多くの方に、2級合格テキストをご購入いただきましたので、テキストには書かれていない多くの合格へのヒントを書かせていただこうと思います。ブログは2級で手一杯なので、1級は講座にて対応いたします。

前回記載させていただいたように、問題把握力と具体的展開力を向上させることが、合格を左右するポイントになります。

4つの評価区分の具体的展開には、「相談者の訴えを理解した上で適切な目標を設定しキャリアコンサルタントとしての対応を適切に選択し、対応できることで、相談者に気づき、変化(問題に対する認知の変化、自分または重要な他者 に対する認知の変化、自己の表面的な表現から内面表現への変化、具体的行動や意欲の変化など)が起こることとあります。

とても多いパターンとして、徐々に変化を与えられず、前半浅い傾聴技法だけにとどまり、相談者と内容を共有できていないまま、後半突然キャリアコンサルタントの枠組みで、目標を提示し、その方策を説明して相談者の抵抗にあってしまうパターンです。

では、徐々に変化を与えるというのは、どうしたらよいかということですが、「うなずき、繰り返し、要約」だけで終わってしまわず、不安や焦り等の気持ちには、何があるのかの事実の確認が必要です。例えば、給料が下がり、生活が困難になるとか、期限が迫っているとかなのです。そこを確認せず、どんなお気持ち?とか、どちらの気持ちが強い?などと、気持ちばかりを引き出そうとすると、相談者は自分の気持ちが明確にならないし、キャリアコンサルタントが問題を把握することもできません。

これは、ある種、傾聴練習の弊害ではないかと考えます。気持ちを聴きましょうとばかり教育され、15分のロープレまでを何度もやっているので、それ以降ができなくなってしまうということなのではないかと。

事実がわからなければ、相談者の問題を正しくつかむことはできないはずなのに、関係を壊したくないという誤った認知が働いてしまうのでしょう。

過剰に気持ちをきかなくちゃ~と思っている方は、現場のバランスを取り戻していただきたいと思います。

そして、相談者が訴えた内容が、キャリア形成の視点において、どういう状況なのかをキャリアコンサルタントの言葉で言い換えて、相談者と共有して、気づきを与えていく下地をつくっていくのです。

次回は、言い換えて共有するとは、どのような例なのかをお伝えします。

1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 第1種衛生管理者 内藤友子