内藤友子 OFFICIAL BLOG

キャリアコンサルタント資格・メンタルヘルスについて

第10回 1級キャリアコンサルティング技能検定 論述合格のヒント

こんにちは。

第10回のキャリアコンサルティング技能検定の合格のご連絡が出そろった感じです。

苦節数年で受かった方もいらっしゃるようですし、惜しくも論述が・・・という方も多かったように思います。

今回は、論述とロールプレイに分けて、合格のヒントをご紹介します。

大きな誤解があるかも、と思われるのは、キーワードを書けばよい、と指導を受けて、一般的な書き方になっている方です。

そのキーワードとは、自己理解、仕事理解不足、コミュニケーション不足、長期のプラン不足といったことです。確かにそれもありますが、それだけでは不十分です。

毎年事例が変わっており、その事例で問われている「独自性」(CCの勝手な見方ではありません)と「繋がり」が必要です。

例えば、必須の問1ですが、CL視点とCC視点の根拠を書いて、簡単なをつなげただけでは不十分で、せっかく点を取れるところが取れなくなってしまいます。

重要な要素は、CLの発言から、CCが何を問題と捉えているかを書かなければなりません。

第10回の事例でいうと、CLは、前々から介護のとこは分かっていたけれど、家族や両親と親の状況(生き方の希望、健康・経済・地域とのつながり等)の話し合いができていない、という点が、CLのキャリアライフプラン、コミュニケーション不足に繋がっている。

法人営業として30年の経験があるから何とかなるという、キャリアコンサルタントの安易な見立てから、後押しして意思決定させてしまった、という点から、CLの情報収取不足、準備不足に繋がっているという点です。

と、こういう要素を書かなければならないのです。

出題の意図には、勤務先の「仕事と介護の両立支援制度」等の情報収集、準備不足が見受けられるのです。

同じ個所を指摘していても、表面的キーワードの言葉の羅列になっているか、時流の論理上の根拠があって書いてあるのかの違いが出てしまうということです。

必須問題問2は、相談者への気持の応答、関係構築が深まっていない、事例相談者の問題に焦点が当たっていない、CCの価値観で提案している等、どこにでも当てはまるような書き方では、あまりにも表面的と言わざる負えません。

問1を踏まえて、会社の仕事と介護の両立支援制度等への問いかけや介護休業や介護保険サービスについての問いかけを行っていないために、問題把握が不足している。

事例相談者の考えは、職業選択の自由を根拠に、Aさんの訴えのみに反応し、提案していますが、それは、事例相談者の再就職支援の知識不足や、意思決定権の尊重に対しての職務上の行動規範が理解されていない発言と考えられるのです。

ということが大切な要素です。

さらに問3では、システマティックアプローチの流れのキーワードは入れますが、重要なのは、問1.問2の事例の内容に対して、どうするを書かなければなりません。

上記の流れでい行くと、最初のセオリーは、省略しますが、

目標は、仕事と介護の両立の目標を共有し、そのための情報提供ができます。具体的には、地域包括支援センターの所在地や連絡先を把握してもらうことや、介護体制の調整していく必要性や、親の状況把握(生き方の希望・経済・地域との繋がり等)必要な情報を整理してもらうことや、夫婦間の分担や今後の働き方の検討、再就職を考える場合は、ポータブルスキル(業種や職種が変わっても通用する、持ち出し可能な能力)の見直し、労働市場の現状の理解や田舎の地域での募集企業の探し方の情報提供、メリットデメリットを整理するなどを通して、意思決定のための支援を行うこと。

というような 問1、問2、問3との繋がりを考えて、まとめていきます。

ポータブルスキル→厚生労働省が推奨しているので、この辺りも独自性を出すということになります。

私がロープレ指導させていただいた方も、ロールプレイは合格されているのに、論述が残念な結果になった方が数名いらっしゃいます。

論述の点が合格点に達しなかった方は、単純なキャリアの6ステップのキーワードを入れればよい、という大きな誤解をされているかもしれませんので、参考にしていただければと思います。

公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子