内藤友子 OFFICIAL BLOG

キャリアコンサルタント資格・メンタルヘルスについて

キャリアコンサルタントとしての学生支援者の課題

さて、本日は私が実施した学生さんのキャリアコンサルティングから、大学生を支援している方々への課題をお伝えしたいと思います。

大学では、キャリアガイダンスを行い、キャリアコンサルティングも実施しているところが多いと思いますが、支援する視点が学生の目線で行われていないために、学生を迷い子にさせ、自信を失わせてしまっているケースがあるということです。

私が担当したケースの主訴は

1.学校ではWebでのキャリアガイダンスがあり、業界研究、企業研究も行われているが、専門用語で説明されて難しくて興味がわかない。

2.自己PRが書けない。自分の長所がわからない。

3.志望動機が書けない。キャリアコンサルタントのアドバイスは、どこにでも通用する志望動機となっていると言われたが、どう書けばよいかわからない。

4.企業が出す課題の意味がわからない。

5.働きたいと思うが、モヤモヤしてやる気が起きず、自分の説明力がないために伝わらないと自信を失っているということでした。

これらは、一見よく学生にある問題と捉えがちですが、キャリアコンサルタント側の説明能力や具体的な支援方法を伝えなければならないというキャリアコンサルタント側の課題でもあります。

1.については、業界研究、企業研究を大人目線で説明しても、興味を持たない、理解できない学生は多くいますので、学生目線で作成する必要があります。

例えば、学生が生活の中で興味関心があることから、業界や企業とどうやって結び付ければよいのかの具体的な説明をする。

2.1から長所を言葉にすることは難しいため、エンプロイアビリティーシートや適性検査を受けることで、言葉にすることができる。無料で受けられるサイトや、具体的ツールを教えてあげる等。

3.志望動機が書けないのであれば、興味・能力を調べたうえで、志望動機に何をまとめればよいのかの3つのポイントを伝えてあげる。それを理解すれば、いくつでも志望動機が書けることを伝える。

4.企業の出す課題(例:課題解決能力を数字を用いて書きなさい)という問題がでたときに、考え方を教えてあげる。

これは、ビジネスモデル(その業界・企業がどうやってお金を稼いでいるか)を理解すれば、問題はいくらでも考えられることを教えてあげる。

5.キャリアコンサルティングのやり取りを通して、相談者の方の特徴をフィードバックしてあげる。

というようなことで、前に進める学生もいます。

明日、合同説明会に行くが、どういう準備をしていけばよいのか、ということも、上記の質問の後に積極的に聞いてこられました。

その学生さんは、具体的なことを聞いているのに、抽象的なことしか返ってこないので前に進めず、自分の説明が悪いと思って自信も無くしておられました。

今後も、自分目線で考える学生さんが、どうやって視野を広げていけばよいのかを、大人目線ではなく、学生目線からの説明や導き方の自己研鑽が必要になるのではないかと思います。

公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子