大間違いなキャリアコンサルティング
わたしのところには、「無料のキャリアコンサルティングを受けて傷ついた」というクライエントが来談されますが、本日は敢えて、大間違いなキャリアコンサルティングをしているなと思われる例を紹介します。
やりたいことをするために転職して、その仕事はできているけれど、転職した方がいいか、続けた方がよいかという相談者に対して、「それはほんとうにあなたのなりたい姿ですか?」と問いかけ、「もし今楽しくないのであれば、それは本当にやりたいことではなかったのではないですか。私はやりたい仕事が出来ているからとても楽しい」と自分自身のことを引き合いに出して言われたそうです。
そこから、相談者が「そういえば、自分は早く転職したいという気持ちもあったし、人と比較するところもあり、評価されたいという気持ちもある」というネガティブなところに焦点が移り、答えたということで、モヤモヤした気持ちをもって来談されました。
そこで、相談者のこれまでの経緯を伺ってみると、年齢のこともあるし、恋人との別れ、転職先での激務、体調の悪さなどが重なって、非常にメンタルが落ちているということが分かりました。また、ご実家との関係もあり、これまでの人生の頑張りと疲れもあって、悩んでおられたのです。
キャリアコンサルタントは、職業選択の悩みが中心になるのですが、その方の人生全般に影響を与えることを自覚し、相談者の利益を第一義として、誠実に責任を果たさなければならない」・・・という倫理があるにも関わらず、自分の仕事の楽しさと比較して、その方を追い詰めるように関わられたことに対して、とても腹立たしく感じました。
また、キャリアコンサルタントは、メンタルヘルスに関しても学んでいるはずですが、その配慮もありません。相談者の状態やこれまでの経緯を全体として把握し、どう関わることがよいのかを、慎重に判断して関わって欲しいと思います。
暗にあなたは間違っているというメッセージを出し、突っ込んでネガティブな要素を語らせ、無意識にキャリアコンサルタントが自分は幸せと思いたかっただけ、ではないかと思えてしまいました。
キャリアコンサルティングを行うにしても、メンタル面は必須の要素です。転職を考える方の中にも、様々な事情を抱えているということを肝に銘じて関わって欲しいです。
公認心理師 精神保健福祉士 1級キャリアコンサルティング技能士 内藤友子
第14回 1級キャリアコンサルティング技能検定 合格発表!
第14回、1級キャリアコンサルティング技能検定の合格発表がありました。
学科試験は61.56%、実技は6.55%
1級に合格した方は77名、累計773名となりました。合格おめでとうございます!
第13回から論述問題が、1事例に集約されましたので、論点にブレがなく、整理されていなければなりませんね。ちょっとした表現の仕方やまとめ方も重要となります。
さて、本日は、対策講座でよくありがちな修正すべき6つのロールプレイをご紹介します。
①表面的には感じが良く、一見事例相談者と関係構築ができているように見受けられるロールプレイでも、事例相談者の出来ないところ探しをしてしまう。
②事例相談者の問題が捉えられていても、後半で唐突な介入や説得となり、事例相談者に気づきを促す指導ができない。
③相談者の問題が捉えられていて、介入するが途中で事例相談者の抵抗に遭い、そこから別の路線に逃げてしまう。
④教育的な関係構築の意味を取り違えて、介入できないまま、事例相談者の話を表面的に聴いて、問題を把握できずに終わる。
⑤初めは事例相談者の話を聴いているようでも、途中から事例指導者役の準拠枠に当てはめて展開してしまう。
⑥口頭試問でロールプレイでうまくいかなかったところを取り繕って、あらかじめ準備してきた内容を答えてしまう。
ということが起こりがちです。
事例指導の機会が少ないため、ロールプレイの練習を重ねるだけでは技能向上は難しいのではないかと思います。
面接を上手く展開するためには、陥りがちな自分自身の特徴をよく理解し、もう少し振れ幅を広げて、対応できるようにすることが必要です。
1年に1回の試験ですが、試験前になって慌てるのではなく、計画的に学習をしていくことも必要かと思います。
公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子
2級キャリアコンサルティング技能検定第33回合格発表
第33回、2級キャリアコンサルティング技能検定の合格発表がありましたね。
学科は55.29%、実技が17.73%
2級キャリアコンサルティング技能士は337名が合格で、累計12.324名の技能士が誕生いたしました。おめでとうございます!
残念だった方は、是非次回挑戦していただきたいと思います。本日は毎回の講座で私が気になっている点をお知らせいたします。
論述に関しては、国家資格と焦点は同じですが、記述行が多くなるため、しっかり内容を要約できなければなりませんし、キャリアコンサルタント視点の問題の捉え方もいつまでも、自己理解不足、仕事理解不足、コミュニケーション不足から抜け出せない方、また方策も、はっきりとした目標に対しての方策が抽象的なままである、相談者の問題と、キャリアコンサルタント視点の問題の共有がなされていないなどが不十分であると思われます。
面接に関しては、
東京リーガルマインド(LEC)の講座に参加される方は、毎々マックス20名ほどとなりますが、最近では質の低下がとても気になっています。
ほとんどの方とても感じのいい応対をされているので、そこはとても良いところだと思います。
ただ、2日間の講座で5ケースを練習する中で、国家資格で学習したことの復習で終わってしまう方が多いように感じています。熟練レベルの技能の検定ですから、相談者のレベルを見て、積極技法の使い分けがなされなければ、面接を展開できませんが、そこまでに至っていない、ともするとカウンセリング技法も使えていなかったり、CLの問題もはっきりつかめないまま、面談が進んでしまうということが起こっています。
もう一つ問題なのは、それをフィードバックしても、理解が追い付いていないという場合もあります。
次回挑戦する方は、技能を上げるためには、自分のどこをどのうよう改善すればよいのかを1つ1つのケースで学習していただければと思います。
第14回 1級キャリアコンサルティング技能検定論述対策 問1
いよいよ、第14回1級キャリアコンサルティング技能検定論述対策講座が11月2日(土)10時~17時 LEC Zoomにて開催されます。
さて、今日は論述の書き方についてのヒントをご紹介します。
論述の問1 問2 キャリアコンサルティング能力(指導の基礎力)を問われる問題です。
問3は、コーディネート能力(CLの環境への働きかけ、CLを支援するための専門機関や専門家との様々なネットワーク)が問われています。
問4、5は、指導能力が問われています。
この中で、今回は新たに問われるようになった問1です。ここは、2級レベルと同じと思われていると点が取れません。記載枠は3行しかなく、実は問1の書き方によって、問2がはっきり書けるか、漠然となってしまうかに差が出てしまいます。レベルとしては2級より高い水準が問われています。
問1は、相談者にとっても問題(困っていること)ですが、「こういう不安である」となると抽象的になり、問2もあやふやな書き方になってしまいます。ですから、どうすれば、会社に留まることができるのか、転職をするにはどうすればよいのかその方法が分からない。というところまではっきりさせると、問2は、キャリアコンサルタントの見立てに従い、その方法を具体的に記述できます。
第14回は、企業の問題がでるのか、需給調整機関分野か、教育分野が出題されるのかわかりませんので、どの分野がでても、問1~問5でしっかり書けるようにしておきましょう。
論述講座では、模擬問題を使って理解を深めていきます。
第14回1級キャリアコンサルティング技能検定 論述講座のご案内
昨年度から、1級、2級の検定講座に加え、養成講座を担当するようになり、すっかりブログを更新していませんでした。
今回は第13回から変更になりました1級技能検定の論述講座のお知らせです。
11月2日、添削付になります。
LEC 1級キャリアコンサルティング技能検定 実技(論述・面接)試験対策講座【オンライン(Zoom)】 - キャリアコンサルタント技能検定|LEC東京リーガルマインド
4日間のうち、11月2日(土)10時~17時までとなります。1日だけでもOKです。
第13回から、問に対する論点をはっきりさせて、解答する必要がありますので、抽象的な書き方ではなく、相談者の問題、事例相談者の問題、それに対するネットワーク、環境への働きかけ、事例相談者の問題、それに対する指導を明確に記述する必要があります。
第14回は、企業だけでなく、需給調整機関、教育機関に対する、新たな問題にも慣れておく必要があります。
なんとなく、となっている方は、是非ご参加ください。
公認心理師 精神保健福祉士 1級キャリアコンサルティング技能士 内藤友子
第30回 2級キャリアコンサルティング技能検定 面接対策
皆さん こんにちは
第30回の2級キャリアコンサルティング技能検定の面接試験の対策は進んでいらっしゃいますでしょうか。
今日は、2級技能士を学習される方に動機づいてほしいなと思いメッセージします。
これからのキャリ形成にとって、相談者の自己啓発が大切なように、キャリアコンサルタントの自己啓発も大切になっていますね。
最近の受検者に接していますと、それぞれの技能の差が大きいなと感じることが多くなっています。逆に国家資格の養成講座に来られる方の中には、素晴らしい面接の技能をお持ちの方もいらっしゃったりします。
ですから、2級を受ける自分に必要なことは何なのかを、深掘りしながら、学習することが必要かと思います。
その際に問題となるのが、相談者役の設定です。
相談者役の人物像があいまいなために練習になっていないなと思えることです。
もう一つはキャリアコンサルタント側の準備です。試験時間は20分しかありませんので、何を聴くのかによって、面談の流れが大きく変わってきます。これは、国家資格のレベルがクリアされたうえでの「技能」が必要ですが、それもままならない方も散見されます。
試験問題がでましたら、しっかりと問題と向き合って、様々な想定を考えてみてください。
Job tagが活用されるようになってから、仕事の内容やその道のキャリアパスがよく理解できるようになったと思いますので、キャリアコンサルタントもある程度、仕事内容を知っていないと、面談が進みません。
CC「異動される先のお仕事はどういうお仕事なんでしょうか」
CL「よく聞いていないので、わからないんですよ」
CC「そうですか。それでは上司に確認してみるといいですね」
CL「はい。確認してみたいと思います」
2級? これでいいのでしょうか??
まったく表面的なやり取りで、深まりもありませんよね。また、研究している内容に対して、CCが興味のある分野であったときに、
CC「私もとても興味があります。」といってその話に花が咲き、相談テーマから離れていってしまう。CLの話からCCの話になってしまったりと・・・大丈夫かなと思う例もあったりします。
2級技能士は、約6万5千人いるキャリアコンサルタントの上位16%に入るというレベルですので、対策講座だけに頼らず、どんどん自分で考えて、修正していくことが必要です。それが己研鑽です。
ロールプレイとはいえ、事例にでてくる相談者は本当にいます。試験に受かるためではなく、重要な相談者の意思決定に関わるキャリアコンサルタントなんだということを念頭に置くだけでも、相談者役、キャリアコンサルタント役の見え方が変わってくると思いますよ。
公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子
第30回 2級キャリアコンサルティング技能検定 実技面接対策講座のご案内
日時:6月18日(日)10時~17時 第30回 面接対策講義 試験問題ケース1~3 解説とロールプレイ、口頭試問実施と1級技能士によるフィードバック
日時 6月25日(日)10時~17時 第30回 試験問題ケース4~5と苦手ケース 解説とロールプレイ、口頭試問実施と1級技能士によるフィードバック
料金 1日参加 10,000円(税込み) 2日参加 お申込み18,000円(税込み)限定6名まで
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