内藤友子 OFFICIAL BLOG

キャリアコンサルタント資格・メンタルヘルスについて

職業的成長のプロセス 初学者期 

RonnestadとSkovholtによる臨床家の6期発達モデルの第2期目は、初学者期です。

専門的な訓練を受けることへの熱意は強いが、自信に乏しく不安が強い。新たな理論を学ぶたびに、自分の援助に対する考えが大きく影響を受ける。できるだけ簡単に学べ、すぐに使える理論やスキルを求めて躍起になる。しかし、現実の状況はそううまくはいかず、情報量に圧倒され、学習がうまく進まないことに苦しむ傾向が強い。とあります。「公認心理師現任者講習会テキスト」一般社団法人日本心理研修センター2018年P39引用

キャリアコンサルタントも、多くの知識を学習することが続きます。そして、学べば学ぶだけ、カウンセリング理論やキャリア理論をどう活用していけばよいのかに迷うこともしばしばあります。そのようなときにすぐに使える理論やスキルを求めてしまうことになり、特に技能士試験合格のために唯一の答えを求めることに現れます。

ただ、現場では日々のキャリアコンサルティングの活動において、ソーンダイクの(Thorndike,E,L)試行錯誤学習を忘れてはならないと思います。特にカウンセリングでは、常に今にとどまり、相談者とじっくりカウンセリングプロセスを進めていくことが大切です。

1級キャリアコンサルティング技能士・認定精神保健福祉士・第一種衛生管理者

                                内藤友子

 

職業成長のプロセス  素人援助者期

先日、1級キャリアコンサルティング技能士の合格発表があり、第7回の合格者(総合合格47名・累計341名)が、1級キャリアコンサルティング技能士となりました。しかし、私たちの仕事は、資格だけで判断されるものではなく、臨床家の職業発達は生涯続き、職業的自己と個人的自己がより高い統合を達成するプロセスとして対人関係を通して多くを学んでいきます。

RonnestadとSkovholtによる臨床家の6期発達モデルを、(お茶の水女子大学准教授 岩壁茂氏編集)をご紹介していきます。心理職に限らず、相談業務をする者にとって、自分自身を客観視する物差しとして非常に参考になります。「公認心理師現任者講習会テキスト」一般社団法人日本心理研修センター2018年P39引用

第1期 素人援助者期

心理援助職の訓練を受ける前の状態。親、子ども、友人、同僚、などの相談相手になり、アドバイスをする。問題を素早く同定し、強い感情サポートを与える。アドバイスは自分の過去の傷つき体験などをもとになされる。相談相手の悩みに深入りしたり、過剰に同一視して気持ちの落ち着きを失いがちになる。成功体験や失敗体験が心理職に関心をもつきっかけとなる。

日常生活や職業生活において、人から相談を受けたり、自分の体験を通して、キャリアコンサルタントの資格取得しよう、相談業務をしようといった動機が生まれる時期に当たりそうですね。

1級キャリアコンサルティング技能士・認定精神保健福祉士・第一種衛生管理者 

                                  内藤友子

 

 

 

1級キャリアコンサルティング技能検定合格発表

年1回の1級キャリアコンサルティング技能検定の合格発表がありました。

学科は、第6回の53.41%から29.14%と大幅に落ち込み、実技も第5回の4.47%ほどではありませんが、8.32%から5.52%と落ち込みました。

学科試験に関しては、記憶のお勉強をするしかないのですが、実技に関しては、

何回か受検されている方の中には、どうしてなんだろう~とモチベーションが下がっている方もいらっしゃると思いますし、結果に納得できないという方もいらっしゃるのではないかと思います。

それでも、1級の肩書が欲しいという方は、来年度のバーをクリアするしかありません。

ただ、検定試験は、あくまでも検定試験であって、本来のスーパービジョンができていても、必ずしも検定に合格するというものでもありません。それは、すでに1級技能士をもっている人でもそうですし、相談者役や試験管によっても評価がかなり違ってくるからです。必ず相性はあります。

その辺りを踏まえて、検定試験の学習をされた方が早道かもしれませんね。

1級の支援は、書籍と夏以降の講座で支援させていただきます。また、ブログやホームページに情報を掲載させていただきます。

それから、1級は指導レベルですから、スーパービジョンを受けたことがないという範囲は避けたいですね。       

 1級キャリアコンサルティング技能士・認定精神保健福祉士・第一種衛生管理者

                                 内藤友子

第13回  1級キャリアコンサルティング技能士としての第三者の目「メタ認知能力」

1級キャリアコンサルティング技能士が必要な能力として、自分自身を客観的に見ること、それを語れることが必要です。

 

そのためには、日頃から「メタ認知能力」を高めることに取り組みましょう。

 

メタ認知能力とは、アメリカの心理学者ジョン・H・フラベルによって用いられた言葉で、認(知覚、記憶、学習、言語、思考など)することを、より高い視点から認知するということです。つまり、事例相談者と自分(事例指導者)がロールプレイをしている自分を高い視点から見るということです。そしてそれを評価できるということになります。

 

1級の試験では、30分のロールプレイで起こったことをすぐさま評価して、口頭試問に答えなければなりません

規定演技のロールプレイができても、口頭試問で論理的に答えなければ合格できません。

なので、日頃のトレーニングが必要なんです。

 

メタ認知能力を高めるために、1日10分のマインドフルネスが本当にお勧めです。

 

マインドフルネスは瞑想に近いもので、今という瞬間に、余計な判断を加えず、自分に意識して注意を向けるということです。

 

マインドフルネスで、集中力を研ぎ澄ましていくと、落ち着いた呼吸になり、今起こっていることにとても敏感になれます。

 

多くの受検者は、試験のケースばかりに捉われがちですが、試験では、その時に事例相談者から語られる内容に対応できなければならないのです。そして、試験のときに頼りになるのは、自分自身の知覚、記憶、学習、言語、思考しかないのです。

 

1日10分の瞑想で、呼吸を整え、まずは自分の体や呼吸にひたすら意識を向けることから始めてみてください。

第12回 1級キャリアコンサルティング技能士はオリンピック

第11回までは、事例指導に活かすマイクロカウンセリングを紹介しました。

 

第12回からは、来年の1月の試験までには時間がまだありますから、別の角度から試験対策としてできるトレーニングを書きたいと思います

 

1級キャリアコンサルティング技能士の試験は、年1回のオリンピックと捉えていただくとよいと思います。

ひたすら面接のロールプレイの練習をするより、まったく別の観点から自分を見直してみるのです。

 

1級の面接のロールプレイの合格率は、第5回では4.47%、第6回では、8.32%ですから,

100人の受験者に対し、4~8人しか受からないのです。であれば、人と同じことをやっていても受からないですよね。

 

例えば、オリンピックでメダルを取る選手というのは、もちろん競技自体の練習もしますが、その他に、基礎トレや筋トレをしたり、精神面を鍛えたり、食事の管理、読書・・・とありとあらゆる方向から自分を高めているのです。

 

その総合力をもってメダルを勝ち取るのです。そのあらゆる行動自体が自信を生み、それでも、いけるだろうなんて安心はしない。本番は委縮してしまいそうな気持をコントロールして、慌てず、そして「勇気」を出して30分間の競技に臨むのです。

第11回 マイクロカウンセリング技法を1級キャリアコンサルティング技能士実技試験 面接に活かす⑧

積極技法の続きです。

 

⑤フィードバック

カウンセラーあるいは第三者が相談者をどう見ているかという資料を与えることです。

クライアントの長所(肯定的資質)に焦点を合わせると効果的です。

 

事例指導者は、事例相談者のできている部分をしっかりとフィードバックし、さらによりよくなるためにはどうしたらいいかを一緒に考えていきます。ただし、大げさに褒めると試験ではマイナスになりますし、問題があるのに褒めると、事例相談者には気づきは与えられません。

 

⑥カウンセラー発言の積極的要約

面接中にカウンセラーが助言したことや、コメントしたことをクライアントに要約して伝えることです。

 

事例相談者と事例指導者が合意に至った自己研鑽について、ロールプレイの最後にまとめます。

 

⑦助言、情報提供、教示

クライアントにカウンセラーの考えや情報を伝えることです。

 

事例指導では、指導しなければなりませんので、後半の具体的展開で、事例相談者の成長に必要な助言、情報提供、教示をします。

 

⑧技法の統合

技法を統合し、折衷的にもちいます。

 

⑨個人的スタイルと理論を決める

統合した技法を土台とし、個人的な援助スタイルと理論を決めることになります。

 

第11回まではマイクロカウンセリングの技法を1級キャリアコンサルティング技能士の面接でどう生かせばよいかをお伝えしてきました。この技法が意識して使いこなせれば

口頭試問においても、やったことを言えばよいので、口頭試問がとても楽になります。

 

質問)自分のロールプレイを振り返ってよかった点は?

例)「信頼関係を気づくために、特にかかわり行動において、視線の合わせかた、身体言語(笑顔)、声の調子、言語的追跡に注意して関わりました。」

第10回 マイクロカウンセリング技法を1級キャリアコンサルティング技能士実技試験 面接に活かす⑦

積極技法

積極技法は様々あります。

指示

コンサルタントが相談者にどのような行動をとってほしいかを示します。

 

事例指導者が、事例相談者が実行に移せる自己研鑽を提案する場合に用います。

 

論理的帰結

相談者の行動によって予測される良い結果、悪い結果の両方について考えるよう促すことです。

 

事例指導者が、事例相談者の対応によって予測される良い結果と悪い結果の両方について考えるよう促すときに使えます。

 

解釈

相談者の状況を読み取る新しい観点をコンサルタントが相談者に与えることを言います。

 

事例指導者の解釈を伝えます。「~のようには考えられませんか」

 

自己開示

カウンセラーが自分の考えや経験などを相談者に伝えることを言います。

 

事例指導者は、事例相談者との関係を対等なものとし、信頼関係を深めることができます。