内藤友子 OFFICIAL BLOG

キャリアコンサルタント資格・メンタルヘルスについて

1級キャリアコンサルティング技能検定 倫理綱領 組織との関係

2月は、1級キャリアコンサルティング技能検定面接試験の真っただ中です。

最後まで諦めず、合格を目指してほしいと思います。

できれば、試験に合格するというだけではなく、日々の現場の活動を通して、長期的な視点で、指導力を深めていただきたいと思います。

試験間際になって、「合格テキスト」を読めば合格するとの声で、、、と購入される方もいらっしゃいます。もちろん、その方の合格への到達レベルによって可能になることもありますが、、、、。

そこで、今日は倫理綱領の(組織との関係)でキャリアコンサルタントとしてどのように動くべきなのかを書いてみたいと思います。

第11条では、組織との契約関係にあるキャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うにあたり、相談者に対する支援だけでは解決できない環境の問題や、相談者の利益を損なう問題等を発見した場合は、相談者の了解を得て、組織への問題の報告・指摘・改善提案等の環境への働きかけに努めなければならない。とあります。

私は長年美容業界のコンサルティングをしており、リーダー格の方を育てるために、少人数グループでのOJTを実施します。そこでは、リーダーとして、こうでなくてはならないという教育より、はやり「気づかせる関わり」が重要になります。試験の指導でも同じで、気づかせる質問ですね。もちろん相手のレベルで気づかない人には、ティーチングでもよいのですが、

相手を育てるためには、意図した質問をし、それに対して承認すること、そしてさらに上級の考え方や関わりを教えていくというコーチング的な関わりが人を成長させます。

先日の研修後、リーダー格の研修生の意欲が上がり、自分たちが他のリーダーを巻き込んで、本社に物申せるようになりたい、という意見がでるようになりました。そこで、私は、本社に掛け合い、現場のリーダーたちが、本社に答申できる力をつけるための「業務改善と風土改革研修】提案をさせていただいたのです。

社内で解決できる問題もあるかもしれませんが、キャリアコンサルタントとして、客観的に組織を見ることができますし、何より、相談者が成長したいという意欲をもって、自分たちの環境を変えようとしている、それに対して、何かできることはないかと考えて行動した結果です。4月に実施予定。

今組織では、人手不足というだけで、うまく業務が回らなかったり、相談者の力がうまく発揮できず、苦しんでいる方も多くいらっしゃいます。そのような方がどう動けばよいか力をつけるために、組織に働きかけられることはいくらでも考えられると思います。

このような取り組みが、論述の選択問題の問3にあたり、指導力を高める能力となります。

1級の合格率におののかず、日々の活動において、現場力を磨いていきましょう。

1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 第1種衛生管理者 内藤友子

2級キャリアコンサルティング技能検定 言葉遣い

今日は、相談者に対する応答について、少し細かい言葉遣いについて、お伝えしたいと思います。

相談者の話を聴いて、CCが「わかりました」と応答する場合がありますが、私はお勧めしません。「わかりました」の意味は、いくつかの意味があります。

「意味や区別などがはっきるする」「事実がはっきるする」「判明する」「分かれる」「離れる」という意味等で、漢字に当てはめると「分」「判」「解」などが当てられます。

イメージとしては、相手に対する敬意や謙譲語の意味合いは含まれず、感情なく、相手の通達等を「理解した」というニュアンスがあり、目上の方には使わないですよね。

けして使い方を間違っているとか、使ったから試験に不合格になるというわけではありませんが、カウンセリング場面では、まず使わない応答です。

私たちは、相談者の言葉だけではなく、相談者の言葉の裏にある感情や、言葉以外の情報も含め、少しずつ相談者のことを理解していきますので、少し話を聴いて「わかりました」と簡単にいってしまうことに、非常に違和感を覚えます。

また、相談者は自分より、年配の方である場合もありますので、敬意を伝えることもできません。

そして、「わかりました」を連発される方がいらっしゃるのですが、(おそらく、無意識に使っていらっしゃるのだと思います)相談者の中には心の中で「そんなに簡単にわかるのか」と感じたりするかもしれませんし、「わかりました」で相談者の話す内容をバシッと切ってしまい、相談者の「こぼれでる言葉」を拾うことができなくなってしまいます。。

でも、CCは、この「こぼれでる言葉」こそ、拾わなければならないのです。

少し細かいことになってしまいましたが、私たちの応答一つで、相談者の話す内容も変わってきますので、無意識に言葉使ってしまうのではなくて、この言葉によって、相談者はどのように感じるだろうかと相談者の立場に立って想像する事、相談者の話を引き出すためによりよい応答はないものかと、日々模索してほしいと思います。

今日は少し細か過ぎる指摘でしたけど、現場ではもっと敏感に言葉選びをしていくことが必要だと思います。

1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 第1種衛生管理者 内藤友子

 

 

 

キャリアコンサルタントのキャリアアップ

キャリアコンサルタントの方とお仕事をさせていただきますと、スーパビジョンを頼まれることもありますし、ご自身のキャリアアップをどうしたらよいか?という相談に乗らせていただくこともあります。

このブログは、~キャリアコンサルティング技能士の資格を取得しよう~としていますので、技能士の試験対策のお話をすることがほとんどですが、読者からも取り上げてほしいとのご要望もありましたので、精神保健福祉士の資格についてご紹介します。

キャリアコンサルティング技能士の試験事例としては、企業で働く方のキャリアが中心で、その他、転職を考える方や学生の事例が多いですが、昨今キャリアコンサルタントも活躍の場が広がり、生活保護区の方の支援や、生活困窮者、職業訓練校、就労移行支援施設等で、メンタル不調を抱えている方々に遭遇することも多くなっていると思います。

キャリアコンサルタントの場合は、基本的にはリファーするとよいことになりますが、現実はリファーできず、メンタル不調の方に寄り添っていかなければならない場面も多々あります。

そのような場合、メンタルヘルスマネジメント検定や産業カウンセラーの資格を取ろうと思われる方もいると思いますが、どちらもストレスチェックの実施者にもなれませんので、(臨床心理士も)できれば国家資格である精神保健福祉士を目指していただければと思います。

また、キャリアアップのために、1級を目指し、スーパーバイザーになる講座を受け、キャリア理論を学ぶというのもよいと思いますが、メンタル不調の方によりそえる精神の器を広げる必要があると思います。

私は、精神保健福祉士の実習でB型施設に2週間行きました。その時に、統合失調症の方ばかり23人いらっしゃったのですが、1日目、2日目は、自分から何も話すことができませんでした。その時、「これまで自分はコミュニケーション力があると思っていたのに、実はコミュニケーション力なんて自分が思っているほどなかったんだ」ということに気づきました。また、偏見を持っていないとも思っていましたが、しっかり偏見をもっている自分に気づくこともできました。

キャリアの勉強だけしていても、分かった気にはなるのですが、衝撃を受ける体験まではいかないので、根本の自分というものに気づきにくいように思います。

精神保健福祉士は、精神保健の歴史から、自己覚知(自分を知る)ということを叩き込まれますので、支援者としてのよい精神が宿ると思います。

私と出会った方が、キャリアコンサルタントを目指される方も出てきますし、50歳を過ぎてから精神保健福祉士を取得され、病院に勤務して、充実した日々を送っている方もいらっしゃいます。

なかなか地味と言えば地味な資格ですし、難易度もそれなりにありますので、価値がわかりにくいのかもしれませんが、国家資格のキャリアと精神保健福祉士のダブルで、汎用性、社会的認知度もまったく違ってきます。

ご興味のある方は、調べてみてくださいね。遠回りしても支援者の仕事を続けるなら

一番のお勧めです!!

1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 第1種衛生管理者 内藤友子

 

第21回 2級キャリアコンサルティング技能検定 面接対策 資格取得の動機

第21回の試験が終わった方は、大変お疲れさまでした。

また、これから受検する方は、相談者の抵抗を気にすることなく(抵抗があれば、そこを聴きましょう)自分にできることを、その日、その時に、しっかりやってみてください。

昨日第21回の面接対策講座が終了いたしましたが、意識の高い受講者の方々が多く、私もとても勉強になりましたし、皆さんがしっかりと、フィードバックを受け止めようとしてくださったことに、気持ちが熱くなりました。

受検する方は、立派なキャリアコンサルタントとしてのプロでいらっしゃるし、他の分野でも活躍されている方ばかりであるにも関わらず、スキルを高めようと、時間とお金をかけて、一生懸命学ぼうとする姿勢が美しく、、、まぶしかった、、、です!!

私も受講者と同じように、試験を乗り切ってきましたし、試験の前のなんとも落ち着かない気持ちはとてもよ~くわかります。。。それでも、やりきるしかないのですけど。

さて、第21回の講座では、皆様に「資格取得の動機」を自己紹介で語っていただきました。試験には関係ないようですが、実はとても大切なことなのです。試験となると無意識に評価が気になり、受かるために「~しなければ失敗した」というマイナスの思考が働いてしまったり、評価を気にしすぎて動けなくなってしまうことがあります。

確かに評価で合否が決まるのですから、気にならないというとウソになりますが、試験の当日に頼りになるのは、自分自身だけです。そこには、評価者の入る余地はありません。ですから、無意識に評価を気にしたり、練習してきたストーリーを実施することではなく、「目の前の相談者のために何ができるか」に意識を集中できるようにしてほしいと思います。そのためには、皆さんの中に眠っている「人の支えになりたい」という本当の気持ち、動機が力になります。

相談業務において、私はいつも相談者に支えられていると思っています。相談者が死にたいと思う気持ちから、嵐の中を行ったり来たりしながら揺れ動く感情に寄り添い、社会復帰を果たすまでご一緒させていただくことで、うまく関われなかったなと思うこともありますが、自分のゆるぎない自信ともなっています。

どうか、受検する方も、試験当日は、けして評価に惑わされず、人を支える仕事をしている自分自身を信じて、試験に臨んでくださいね。

心から応援しています!!

1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 第1種衛生管理者 内藤友子

第21回 2級キャリアコンサルティング技能検定 実技面接対策講座

本日も2級面接対策講座に、ご遠方より多くの方にご出席いただき、本当にお疲れさまでした。

来週は、21回の対策講座の最終日となります。時間もお金も大変ですが、全力で支援させていただきます。

さて、本日も皆さんにお話ししたのですが、ただ、対策講座に参加してロールプレイをしただけでは、クリアできない壁があります。

一つには、1級の有資格者(ここも重要、確認してください)からフィードバックをもらうときに、抽象的なフィードバックをもらうのではなくて、今現在行った自分のロールプレイに対して具体的なフィードバックをもらい、自分が合格できるレベルのロールプレイを実施ているのか見極めることが大切です。そして、自分の足りないところは何なのかを認識する、あるいは自分にどんな癖がついて、どう改善するればよいかを知ることです。

それと、根本的なことを理解していないと、ロールプレイを何回しても応用力が付きません。

根本的なこととは、何を質問するか、その優先順位は理解できているか、そしてなぜその質問をするかが理解できているかです。それが理解できていないと、様々な質問をして、結局問題把握が曖昧になってしまう結果となります。

ロールプレイケースの「見立て力」が正しくできていない、または偏りがある方が多いと感じました。

これは1級にもつながっているところですが、「見立て力」を強化することで、学生の事例でも、若年者でも、中高年でも、女性でも、男性ででも、ぶれないCC視点からの質問ができるようになります。

2級に皆さん受かっていただきたいと心から願っていますが、現実の合格率は15%です。次回の試験になってしまった方は、戦略をしっかり立てて、望むことをお勧めします。

1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 第1種衛生管理者 内藤友子

 

 

第8回  1級キャリアコンサルティング技能検定 面接対策

2級実技合格テキストを多くの方にご購読いただき、大変ご好評をいただいており、そのためか、面接対策講座にも、ご遠方から多数ご出席いただき、本日も、講師3名体制で、望ませていただきました。

1級の支援もさせていただいておりますが、今後は、2級から1級を目指したいという方で、私の指導を受けたという方へのご支援を重視していきたいうと考えております。

ですが、今回試験前ということもあり、前回1級に不合格になった受講者から、ご質問をいただき、大変重要だと思ったことを書かせていただきたいと思います。

1級を受験される方は、私の1級合格テキストや、以前所属していた財団からも、DVD付きの1級実技の本が出ていますので、それで、ロールプレイを学んでいる方々も多いと思います。

しかし、いくらよいロールプレイを学んだとしても、ロールプレイの最初でつまずいてしまうと、なんともならないという場合です。

それは、すんなり話してもらえない事例相談者が少なからずいるということです。例えば、事例指導者が、「どのうような面談だったかお話いただけますか」と言っても、「そこに書いてあります」と報告書を指して、だまってしまう。事例指導に乗り気ではないという事例相談者です。

その場合の回避方法を知らないと、最初からロールプレイがボロボロになって、先へ勧めなくなります。4つの評価区分でいうと、関係構築すらできなくなるということになります。

そのようなことで受験される方の苦労が水の泡とならないように、しっかり確実な回避方法を参加される対策講座で学んでくださいね。

私の合格テキストでいえば、P24の事例相談者の成長レベルを意識した進め方です。

実際のロールプレイでは、事例相談者のレディネスを、読み取って対応しなければならないのです。具体的な回避方法は3つあり、3段階で押さえておけば、ロールプレイを再開できます。是非面接対策の仕上げに、まさかの対応!も視野に入れておいてください。

1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 第1種衛生管理者 内藤友子

 

2級キャリアコンサルティング技能検定 効果的なロールプレイの進め方3 具体的展開

明けましておめでとうございます。皆様にとってよい年明けでしたでしょうか。

さて、昨年から2級キャリアコンサルティング技能検定実技試験に向けて、効果的なロールプレイの進め方を解説してまいりましたが、年末になってしまいましたので、今日はその続き、具体的展開をご紹介します。

試験がもうすぐという方にも使える具体的展開です。

前半のロールプレイで、相談者の自己理解、仕事理解を促進するために、ただうなずきや繰り返しの技法だけではなく、言い換え技法を使って、相談者のキャリア課題に気づかせていくことの重要性をお話ししました。

そして、次に目標を設定し、具体的展開に入るわけですが、論述でも使われる「キャリアサバイバル(職務と役割のプランニング)」と記述する内容が、ロールプレイでも使えます。

皆様もよくご存じのエドガー・H・シャインの理論です。

シャインは、「キャリア開発の視点の本質は、時の経過に伴う個人と組織の相互作用に焦点がある」と言っているように、組織でキャリア開発していくことは、個人のキャリア開発にもつながっているので、その接点を一緒に探してくことになります。

ただ、ロールプレイですから、「では、キャリアサバイバルしましょう」と目標設定するのではなく、理論を踏まえたうえで、相談者と目標を設定し、その後、職務と役割を一緒に考えていくための質問を展開するということが具体的展開となります。

 

例えば、部署が変わって仕事がうまくいかないとか、昇進はしたものの、うまくいっていないという方には、目標設定の前に、個人としてどうなりたいか(未来の質問)を確認しておき、組織の中でキャリア開発していくことの重要性を共有し、「これまでと、これからの職務と役割を一緒に考えていきませんか」と目標設定します。

その後、それに対する質問をやり取りして、現在の職務に求められていることを、何からやっていけるかを一緒に考えるのです。職場の中にロールモデルがいればその方についての分析を一緒にやってもよいし、お客様の視点や上司の視点に立って考えてもらってもよいと思います。

そして、口頭試問では、「目標を○○さんの目指すキャリアと組織の中で求められている役割の接点を一緒に考えていく目標を立てました」と答え、それに対して実行したことを、これまでの職務と役割、これからの職務と役割、環境変化を認識していただく質問をして、理解を共有していきました」と応えられると、具体的展開の点数にも大きく反映されることでしょう。

5パターンあるロールプレイケースの中でも、2~3パターンには使えますよ。

今日は体調不良で、対策講座を1級技能士にお任せしました。他にも、3名ほど発熱で振り替えがありましたので、皆様も、体調には十分留意してくださいね。

 

1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 第1種衛生管理者 内藤友子