内藤友子 OFFICIAL BLOG

キャリアコンサルタント資格・メンタルヘルスについて

1級キャリアコンサルティング技能検定対策講座

昨日から、いよいよ第11回1級キャリアコンサルティング技能検定対策講座としてプレ講座が実施されました。3時間の講座でしたが、盛りだくさんの内容で受講生の方も大変だったと思いますが、とても意識の高い方々にご参加いただき、何とかついてきていただきました。

その中で、これから1級検定を受講しようと考えている方に参考になることを今回は書かせていただきます。

10名の中で2名が初受検されるということでしたが、まず、最初に皆様に申し上げたのは、

「1級キャリアコンサルティング技能検定に合格することを目標にしないでください」と申し上げました。「え?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、初めからそこを目標にやっていくと、視野が狭くなってしまうからなのです。

ただただ、検定に合格するためにどうしたらよいか(例)問題把握の点数だけが悪いのでそこを学びたい等)だけを考えての動きになってしまい、本質的な自分の問題が見えてきません。

また、例え合格したとしても、肩書を得られたことの自己満足で終わってしまいます。それよりも、合格後、1級キャリアコンサルタントとして何が求められていることを認識したうえで、検定に必要なことを吸収していくと、総合力を付けるために何をしなければならないか、試験までの日々、何ができるかの動きが変わってきます。つまり、それぞれの受検者が学ぶべきこと、修正すべきことが見えてみます。

また、10名のうち、お一人しかスーパービジョンを受けたことがないのが現状でした。「スーパービジョンを受けましょう」ということが言われているわけですが、現状では、検定に受かることが優先されて動いていらっしゃる方が多いということです。スーパービジョン、事例指導の必要性は言われてはいるけれど、無意識では必要性を感じていないということだと思います。

心理カウンセリングをしていると、本当に必要性を感じるので、身銭を切って受けることは多々あるのですが、キャリアコンサルティングの現場の方々が、必要性を感じられないのはなぜなのかは私にはわかりません。講座を受けられる方は多いようですが。

では、スーパービジョンを受ければよいかというと、それだけでは終わらず、検定を受ける方は、スーパーバイザーの関わり方を学ばせてもらって、そこから得るものを検定に反映させるのです。ですから、1人ではなく、自分自身の現場のケースによって、スーパーバイザーを探し、コンタクトをとって、ケースのスーパービジョンを受けながらも、スーパーバイザーを指導者として評価する目をもって吸収し、自分の強みを生かしたスタイルを確立していくことが大切です。

もう一つ開眼していただきたいことは、多くの方が、相談者とキャリアコンサルタントという関係性の中で仕事をしていらっしゃいますので、その感覚が無意識に勝ってしまって、事例指導を進めてしまうため、視点が低くなります。事例指導の場合は、高い視点を維持していかなければ、堂々巡りに陥るということです。

最後に、視点が低いと学習過程でどのようなことが気になるかということですが、「キャリア理論をロールプレイで相談者に伝えるにはどのような伝え方をすればよいですか」と質問されることがあります。お答えはして、「あ~そういう言い方ですか。ありがとうございます」と質問者は納得されるのですが、私からするとその質問はあまり意味がありません。

なぜなら、それは部分の言い方の問題であって、それが良いのか悪いのかという視点ではなく、そこまでに行きつくまでのプロセスのほうが大切だからです。プロセスの中で自然さがでてきます。例えば、「〇〇の理論で覚えていらっしゃいますか」という聞き方が自然に聞こえるか聞こえないかは、そこまでのプロセスにかかっているということなのです。

プレ講座では、基本的なことではありますが、これから学習を積み重ねていくために大切なこともお話させていただきました。

再受験を悩んでいらっしゃった方も、再度受検しようと、モチベーションを高めてくださいました。

是非1級を目指される方は、ご自身の意識領域を拡大(認知の制限を超えてより広い世界を知って、自分の意識を変化させる)し、学習を進めてくださいね。

LECでのZoom本講座は、9月からスタートいたします。

公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子