第12回 1級キャリアコンサルティング技能検定 面接対策
面接試験の対策として、DVDで勉強されている方に陥りやすいことをお伝えします。
前回から試験官のコメントが協議会の方で掲載されるようになり、そこでも苦言が呈されていたことですが、これまでの練習の成果をお披露目する場ではないし、コーヒーカップモデルやシステマティックアプローチに当てはめることが正解と思って進めている方々、特にDVDを見て、それが正解であるかの如くイメージされている方は危険です。
そもそも、同じ事例報告を持ってきていても、目の前の事例相談者と受検者のやりとりが中心となって進んでいくことですから、その都度見立てて、アプローチをしていくものです。
その結果、DVDと同じような流れになることはあると思いますが、そこでもかなり敏感に事例相談者を観察し、アプローチを考えないといけないということです。
ですから、ロールプレイを練習する中で、精査された質問や受検者自身の見立て力を磨いていくことが安定した面接に繋がります。
また、私の著書でも少し触れていますが(重視していない方も多いですが)マイクロカウンセリング技法で示されている「意図性」ということです。
意図性とは、何かをしようとすることですが、事例相談者の意図性の違いによってアプローチはまったく違ってくる、そこを受検者は見立てなければならないということです。
それらをまったく無視して面接を進めてしまうことことが失敗に繋がってしまうのではないかと思います。
私たちの脳は自然と楽をしようとします。ですが、キャリアコンサルティングもカウンセリングも一瞬一瞬の何気ないやりとりがとても重要ですから、一瞬に留まって考えるという間も大切なことではないかと思います。
公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子
第29回 2級キャリアコンサルティング技能検定試験対策
2級キャリアコンサルティング技能検定の対策のDVDを使った学習について迷いがないようにお伝えします。
先日、対策講座にこられた方から、「キャリアコンサルティング協議会が出版している
「キャリアコンサルティング技能検定~過去問題に基づく実技の視点、考え方~」 の
DVDの模擬面接についてのお問い合わせです。
国試キャリコンとは全く違い、キャリアコンサルタントがたくさん発言し、テンポ良く対話が進み、また、提案や情報提供も積極的に展開されているが、このくらいの発話量は適正で、レベルもこのくらいを求められていると考えていいでしょうか。
とご質問です。
このご質問者が見ているところは、表面的な会話のテンポ感や会話の量、情報提供を見ているということなのですが、まったく本質から外れてしまっています。
特にDVDは、表面的な内容を捉えてしまいがちですし、講師がやって見せても、それぞれ捉えるところが全く違いますので、伝え手が伝えたい内容とも違ってくるという問題が発生します。
今回、協議会から試験官からのコメントにもありましたように、DVDを見たであろう方がお披露目されたキャリアコンサルティングの進め方についての苦言が呈されていたと思います。(1級・2級とも)
本来のキャリアコンサルティングでも、カウンセリングでもそうですが、まずは相談者を理解しようと、相談者を支援するために必要なことを聴き、その上で、必要であれば情報提供する場合もありますし、気づきを促す場合もあるということです。そして、それを口頭試問でしっかりと振り返りができるということが試験で求められています。
この本質から外れて、受かるための答えを見つけようという思考を働かせることは、相談者を見ているのではなく、受検者が主役となって関わろうとしていることになると思います。
もしDVDで学習するのであれば、表面に現れているところではなく、どういう相談者に対して、キャリアコンサルタントが何を見立て、それに対してどうアプローチしているのかという中身を観るということです。
これからが、練習のしどころですから、本質から外れた思考を働かせずに真摯に目の前の相談者とのやり取りをしっかり行いましょう。
公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉 内藤友子
メンタルヘルス・マネジメント検定 第5版 Ⅱ種・Ⅲ種 テキスト&問題集発売
サクっとわかる!メンタルヘルス・マネジメント検定 第5版Ⅱ種・Ⅲ種 テキスト&問題集が、ナツメ社から出版になりました。
国家資格キャリアコンサルタントの学習内容としても示されている「メンタルヘルス」の分野です。
メンタルヘルスの問題は、私たちすべての人に当てはまる問題でもあり、コロナ禍になってさらに深刻化しています。
キャリアコンサルタントの筆記試験、技能検定の筆記試験としても、毎回1~3問は出題されていますので、検定試験にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
さらにスキルアップされたい方は、Ⅰ種にも挑戦してしましょう!!
公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子
第12回1級キャリアコンサルティング技能検定 論述 面接対策 ロールプレイケースヒント
さて、12回の1級キャリアコンサルティング技能検定の試験に向けて、論述対策、面接対策と力が入る時期ですね。
論述の添削を感じるのは、指摘箇所が曖昧な方、他の事例でも当てはまるだろうという抽象的な書き方をしている方は要注意です。
また、選択問題の指摘箇所は、必須問題よりもはっきりしていますので、事例報告を読み解いて、指摘箇所をしっかりつかんでください。
その中で、~の問いかけができていないという指摘を多くする方がいらっしゃるのですが、それが事例報告の指摘箇所にしっかりリンクしていればよいのですが、どうでも言えるよねということばかりを書く方も注意が必要です。なぜなら、そのものの見方は、ロールプレイでもできてないところ探しになってしまい、受検者が準備していった展開をしようとするからです。
ロールプレイ3ケースはもう見立てられたでしょうか。
前回のロールプレイ3ケースの2つは、見立てが立てやすかったのですが、今回は結構ロールプレイで右往左往して、問題の特定にいたらないで終わってしまうという方が多いのではないかと思います。
昨日調整のため、ロールプレイ実施したのですが、見ていく視点が、キャリアコンサルタントの対応であるというところをかなり意識していくことが大切です。
また、2.3が同じような感じかもしれないのですが、ある程度の見立ては必要で、もし皆さんがこのケースを担当するとしたら、どう進めるかということを具体的に想定して、育成目標まで組み立てておくことは最低必要です。論述レベルの抽象度ではダメですよ。
問題の特定は、対応を聴く中で1~3か所、事例相談者から出てくる言葉を敏感に拾えるかです。
具体的展開で結構使えるツールがありますよね。そのツールをイメージしていただくと、逆算して見えてくるものがあると思いますよ。また指導としては、1対1だけでなくても対応の情報提供をできることもありますね。
人数に達してしまったため、対策講座のお申込みをお断りさせていただきましたので、ブログでヒントをお伝えしていけたらと思います。
第12回 1級キャリアコンサルティング技能検定 実技面接対策 空回り練習
そろそろ1級の論述対策、面接対策と練習を開始していらっしゃる時期ではないでしょうか。
本日は、面接対策をせっかく実施しているにも関わらず、空回り練習を重ねて、本質から外れて、表面上はできているように感じてしまい、試験に突入してしまうパターンを知っていただければと思います。
①前回の対策講座でも起こっていたのですが、提供された試験のケースから準備してこられ、準備してきたストーリーに則って、質問を展開し、事例相談者役が「あーそこはあまり聞いてなかったです」という言葉を引き出し、用意してきた見立てを指導してしまい、サクサク進んでしまうということです。
確かに、「そこは聞けていなかった」ということを言い出せば、どのような仮説でも成り立つわけですが、それは前もって受検者の考に当てはめて、表面的な指導しただけで、一緒に考えて事例を通して、事例相談者に気づきを与えたとはならないのです。
それに気づかず、事例相談者が気づいてくれたとか、具体的展開ができた、と勘違します。
これはやればやるほど、できている錯覚に陥ってしまいますので、充分注意が必要です。
②または、事例相談者が、「なかなか家族のことは聞きにく」ということを問題だと言ったからといって、それを目標設定し、アサーションの練習をした、という表面的な指導になることも問題です。
キャリアコンサルティングでいうと、相談者の言ったまま進めたと同じ事になりますよね。
残念ながら、①は、事例相談者の答えた内容から、見立てる力が不足しており、聴いていない、スルーしてしまったケースです。
②はさらに事例指導者の視点まったくないケースとなります。
残念ながら、対策講座で何度ロールプレイを繰り返しても、上記が本当に理解できていなければ、空回るだけになりますので、指導者視点を養いながら練習を行っていただくことが大切だと思います。
第12回 1級キャリアコンサルティング技能検定 面接対策講座 若干名募集
第12回 1級キャリアコンサルティング技能検定のLEC様の講座を締め切ってしまいましたので、受検者の方のご希望により、追加で募集をいたします。
日時と人数が限られていますので、ご希望の方は、特定非営利活動法人キャリア・インディペンデンスのホームぺージよりお申込みください。
日時:12月18日(日) 9時~13時
内容:指導のポイントと試験3ケースの見立て+ロールプレイ
面接の基本的な進め方を理解してロールプレイを実施します。
日時:1月22日(日) 9時~13日 試験の3ケースの直前+ロールプレイとフィードバック
試験3ケースの仕上げです。
価格:2日間で1万6千円
募集人数:若干名(先着でご希望に添えない場合がありますが、フィーバックなしでも練習したいという方はお受付いたします)
実施方法:Zoom
公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子
第12回 1級キャリアコンサルティング技能検定実技試験 論述(必須問題)対策について
前回は、面接対策についての自主練習の方法をお伝えしました。
今回は、論述の必須問題について、見直したいという方のために、ポイントをお伝えします。
必須問題の解答用紙は、問1 5~6行、問2 6~7行、問3 8~9行と結構余裕がある解答用紙となっていますから、2級レベルの書き方から脱していただき、1級レベルの視点で、記述することを目指してください。
必須問題の添削をしていて感じることは、2級レベルの書き方をしていている、というか、2級の部分的な見立て方でまとめているところが気になります。
半分は、2級キャリアコンサルティングの能力が問われていますが、やはり1級レベルの書き方が必要です。
2級の面接官から
最近の傾向として「自己理解不足」「仕事理解不足」「コミュニケーション不足」という言葉が先行し、問題ありきで、これに目の前の相談者をあてはめてしまおうとする受検者が多い。
とのコメントにありますように、
1級の論述でも、その傾向があり、自己理解、仕事理解、コミュニケーション不足との指摘と、抽象的な支援の方法の記述となっています。
ある程度の点数は取れると思いますが、その見方をしていると、ロールプレイの見立ても深まりがなく、
1級の面接官から
キャリアコンサルティングプロセスをきちんと理解していない、また質問力が弱いため、問題の本質に迫りきれない受検者が見受けられた。
と繋がってきます。
したがって、必須問題を読んでいただき、部分的な箇所というより、全体を通して見立てを行い、相談者とのやり取りの中で、事例相談者の発言の根拠を掴むことが大切です。(それが指導に繋がってきます)
全体の流れの発言、後半の発言、所感とのズレ、これらを通しての問題点の把握が必要です。
それらを踏まえて問3の対応は、問2を含めながら、抽象的な対応にならないように、実際のキャリアコンサルティングを想定して、あなたの考えを記述するとよいでしょう。
以下、参考にしていただければと思います。
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期間 11月13日(日)までになります。
ご希望の方は、特定非営利活動法人キャリア・インディペンデンス ホームぺージのお問い合わせフォームより、お問い合わせください。
ご希望者が込み合っている場合は、発送まで1週間程度のお時間がかかる場合が
あります。
公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子