内藤友子 OFFICIAL BLOG

キャリアコンサルタント資格・メンタルヘルスについて

第29回 2級キャリアコンサルティング技能検定試験対策

2級キャリアコンサルティング技能検定の対策のDVDを使った学習について迷いがないようにお伝えします。

先日、対策講座にこられた方から、「キャリアコンサルティング協議会が出版している

「キャリアコンサルティング技能検定~過去問題に基づく実技の視点、考え方~」 の

DVDの模擬面接についてのお問い合わせです。

国試キャリコンとは全く違い、キャリアコンサルタントがたくさん発言し、テンポ良く対話が進み、また、提案や情報提供も積極的に展開されているが、このくらいの発話量は適正で、レベルもこのくらいを求められていると考えていいでしょうか。

とご質問です。

このご質問者が見ているところは、表面的な会話のテンポ感や会話の量、情報提供を見ているということなのですが、まったく本質から外れてしまっています。

特にDVDは、表面的な内容を捉えてしまいがちですし、講師がやって見せても、それぞれ捉えるところが全く違いますので、伝え手が伝えたい内容とも違ってくるという問題が発生します。

今回、協議会から試験官からのコメントにもありましたように、DVDを見たであろう方がお披露目されたキャリアコンサルティングの進め方についての苦言が呈されていたと思います。(1級・2級とも)

本来のキャリアコンサルティングでも、カウンセリングでもそうですが、まずは相談者を理解しようと、相談者を支援するために必要なことを聴き、その上で、必要であれば情報提供する場合もありますし、気づきを促す場合もあるということです。そして、それを口頭試問でしっかりと振り返りができるということが試験で求められています。

この本質から外れて、受かるための答えを見つけようという思考を働かせることは、相談者を見ているのではなく、受検者が主役となって関わろうとしていることになると思います。

もしDVDで学習するのであれば、表面に現れているところではなく、どういう相談者に対して、キャリアコンサルタントが何を見立て、それに対してどうアプローチしているのかという中身を観るということです。

これからが、練習のしどころですから、本質から外れた思考を働かせずに真摯に目の前の相談者とのやり取りをしっかり行いましょう。

公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉 内藤友子