第28回 2級キャリアコンサルティング技能検定 面接対策 合格のヒント!
第27回の試験後、面接官からのコメントがでたと思いますが、非常に参考になるコメントでした。
その中で合格のヒントとなるところを上げますと、
1.最近の傾向
「自己理解不足」「仕事理解不足」「コミュニケーション不足」という言葉が先行し、問題ありきで、これに目の前の相談者をあてはめてしまおうとする受検者が多い。
→これは論述でもいえることです。問題自体を上記のように特定し、抽象論で終わっているところが問題なのです。標準であればまだしも、熟練レベルでは、不足の対応となります。またコミュニケーションの問題は、相談者のキャリア形成の問題にどれくらい影響を与えているのかによって、敢えて問題として取り上げるかだと思います。
2.基本的態度
口頭試問での振り返りに解離がある(受検者自身の「自己一致」が十分でない)
→ロールプレイでできなかったところを避けて、取り繕う、挽回しようとすることが問題です。
冷静に振り返って、自己評価することが大切です。
3.関係構築
面接が進むにつれて、相談者への関心よりも事前に準備してきたことに意識が向き、関係性が深まらない様子である。
→問題を最初から探そうとする、相談者の訴えをよく聞かず、先に先に進もうとする傾向があります。
今回の問題も、感情も事柄もよくよく理解して進めることが重要です。
4.問題把握
受検者が自分の聴きたいことを聞いて、目の前の相談者をそこに当てはめてしまうことで、早く問題を特定することが目標のような対応が増加している感がある。
→CL視点とCC視点は、どちらも重要です。上記はCC視点を重視しているのかもしれません。
5.具体的展開
相談者の話を具体的に聴いているにも関わらず、抽象的かつ一般的な目標設定や方策にとどまり、具体性や実効性を欠く。相談者の行動変容に繋がりそうにない提案。
→CL視点を無視して、CC視点の抽象論でまとめてしまっている恐れがあります。相談者の困りごとの気づきのレベルによって、具体的方策は違ってきます。また、具体的展開でも、自己理解を促すとか、仕事理解を促すなど抽象レベルで終わると具体性に欠けてしまいます。
また、CLの気づきのレベルを無視して一般的な目標や方策になってもダメだということです。
論述でも現場レベルの具体的な仮説が求められていますし、面接でも、相談者の訴えを具体的に聴き、それに合わせたキャリアコンサルタントの関りが求められています。
準備段階では、ケースから考えられることの枠組みを広げ、現実的な方策を用意し、その上で、当日の相談者の訴えをしっかり聴けるしましょう。
最後に、試験に合格するかどうかは、面接官が判断しますが、受検者が実施することは、目の前の相談者と共に考えていく姿勢です。面接当日は「試験に受かりたい」という受検者の無意識が勝ってしまいますから、本当に基本に戻って面談できるかが問われていると思います。
公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子