第12回1級キャリアコンサルティング技能検定 気づきの質問
2月に検定を控えておられる方は、最後の詰めで面接練習をしておられると思います。
私も、今週の土日は、1級の対策講座でかなりのフィードバックをしてきましたが、ブログを読まれている方にも最後まで粘っていただきたく、本日は「気づきの質問」について触れたいと思います。
評価基準の関係構築力に、事例相談者が面接の課題に気づき成長できるように、と書かれていますが、ここが理解できていない方が多いのです。
それは、面接練習を実施していきますと、なんとなく形になっていき、スムーズにできたような気になってくるものですが、それは試験官からの指摘にもありましたように、表面的な指導になる場合は少なくありません。
ロールプレイでやっていることは、試験官に分かるように行わなければ評価されませんので、当然受検者が自分がやっていることを理解しなければならないのですが、ほとんどの方がやっておられるのが、「情報収集の質問」です。
昨日も、受講者の方々が「自分がやっていたのは情報収集の質問だったんだ」と気づかれました。「情報収集の質問」とは例えば
「○○とお伝えになった時に、相談者はどのようなご様子でしたか」とか、
「どのように対応されたのですか」
というような質問です。
それに対して、「気づきの質問」とは、事例相談者が話されたことに対して、もう一歩踏み込んで聴くことです。
例えば、
「今さら相談者の方が迷うじゃないですか。でもそれがまずかったのかな」という事例相談者の言葉に対して「○○さんは相談者が迷うというのはよくないとお考えですか」
とか、「難しい事例で、学生の時のトラウマを抱えておられるみたいなんですよね。」
という話の流れになった時に、「この相談者のケースを○○さんはご担当できるとご判断されたのでしょうか」
というように、指導者側が必要だと思われる箇所を捉えて、事例相談者の考えを深堀するのが「気づきの質問」です。
おそらく、ほとんどの方が、情報収集の質問にとどまって、2級レベルを脱皮できていないようです。つまり、見ている視点が低くなるということです。
この「気づきの質問」をするには、「指導者視点」が育っていないとできない質問ですから、指導者視点を増やしていくこと(ロールプレイの中で介入すべき事例相談者の問題に気づく)が近道かであると思います。
~分までに関係構築をして、~分までに目標設定をしてと、あたかもそれが問題であるかのように練習しても、本来の指導力の応用は難しいように思います。
どうか本番まで頑張ってください。
公認心理師 精神保健福祉士 1級キャリアコンサルティング技能士 内藤友子