内藤友子 OFFICIAL BLOG

キャリアコンサルタント資格・メンタルヘルスについて

第10回 1級キャリアコンサルティング技能検定 面接対策 事例相談者の対応

こんにちは。現在Zoomで1級指導をさせていただいているのですが、改めてフィードバックしたことをお伝えします。

今回はそもそものお話になってしまいますが、非常にこのパターンが多いので再度チェックしていただければと思います。

この相談は、事例相談者(CC)の相談ですよね。頭では当然わかっていらっしゃると思いますが、本当にわかっているのでしょうか。とご自身に疑いをかけてみて下さい。

相談者がどのような方であったかは質問してもよいのですが、あまりにも比重が多すぎて一緒にCCと相談者のことを考えて、後半にもそれが続き、CCの対応にフォーカスできずに、後半抵抗にあってしまうということが起こります。

これは事例指導者役の方が、相談者に目が向き、指導者視点を持てていないために起こります。事例指導者役の方は自分自身が2級と同じ聴き方をしている自分に気づけていないのです。12~3分からの質問は、後半の具体的展開を行うための重要な質問となりますので、必要な質問を展開しなければならないのです。

また、事例相談者のできていないところを探す、と指導を受けてきた方もいらっしゃるのですが、そうなると、ポジティブには関われなくなりますので、「できていなかった」と言わせることはできるかもしれませんが、事例相談者のモチベーションは下げてしまうことになりますからよい関りではなくなります。

事例相談者の不足部分は確かにあるかもしれませんが、「できていないところ探し」との態度は基本的に指導者の態度ではないと思います。

それから、後半に指導者役が「今だったらどういう対応が考えられますか」という質問をする場合があると思いますが、その前に、対応に関するやり取りがあっての質問だったのか、また事例相談者のレベルによって、その後ヒントを出してあげることができる事例指導者役の準備があっての質問なのかも考えて欲しいです。著書にも書かせていただきましたし、以前にも書きましたが、事例相談者のレベル感に鈍感な方が多いようです。

そして、各ケースについて、関係構築が、、、傾聴が、、、指示型であった、、、という表面的な問題の捉え方に留まらず、事例相談者の対応は、事例相談者のどのような考えや態度から発せられた言葉なのかをしっかりつかんだ指導者の軸をもっておかなければ、情報に翻弄され、不安定なロールプレのままで試験に臨むことになってしまうと思います。

公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子

 

 

第10回 1級キャリアコンサルティング技能検定 目標共有が難しい方

もう、あまり時間がとれない方もいらっしゃると思いますが

ロールプレイの進め方は様々ありますが、どうしても目標共有が遅くなってしまう方は、このような進め方もいかがかと思います。

概ね10~12.3分あたりで、お決まりの情報が出てきますので、その後、一緒に見ていく枠組みを先に提示してしまう進め方です。

それでは、「ではここから私たちがキャリアコンサルティングを進めていくにあったての枠組みを共有させていただいて、ご質問させていただいてよろしいでしょうか」と前振りをして、システマティックアプローチの簡単な図を共有し、その図を共有しながら、質問を展開していきます。そうすると、目標設定が上手くいかずに助言してしまった、あるいは相談者と事例相談者のズレを理解してもらいやすいので、進めやすくなると思います。

ただ、その場合は、からなず双方向の確認を取りながら、相談者の質問がどの段階にあるのかを理解してもらい、事例相談者の対応もどこに当たるのかを共有すること、また、事例指導者が何を事例相談者に気づいてほしいのかをはっきりさせていなければ失敗に終わることになります。

受検者の中には、双方向のコミュニケーションがよく理解できていない方もおられますので、指導者としてどこに問題があるのかの自己理解も必要となってくると思います。

常に自分自身の面談においても、客観的な視点をもって、面談終了後には自己口頭試問を毎回実施してみてくださいね。

公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子

第10回 1級キャリアコンサルティング技能検定 面接対策講座 人の成長

今日はとても嬉しいことがありました。

第10回 2日間の1級面接対策講座に参加された方の中に、何を伝えても、反論してこられる受検者の方がいらっしゃいました。来られた時から喧嘩腰で、「国家資格って何なんですか」から始まり、すべて否定されていました。そもそも、昔に2級技能士を取得されたとのことで、キャリアコンサルティングプロセスの6ステップやシステマティックアプローチのこともご存じない方だったので、お話が通じなかったのです。試験範囲の説明や、国家資格の話なども説明させていただきましたが、全てを否定されていました。

そして講座の2日目の朝は、納得されていない様子でした。しかし、私は指導者になる方を育てているわけで、それに対しては言わなくてはなりませんから、朝から意識合わせをさせていただき、途中「なぜ、1級を取ろうと思われたのですか」とお尋ねしました。そうしますと、「それは言えない」と口ごもられました。何度受けても通らない、そしてすべてを否定しておられる、であればなぜ対策講座に来ておられるのか・・・その方を最大限尊重し、「もしご自身のやり方でいいのであれば、そのやり方でいいのではないですか」と申し上げました。

ですが、フィードバックは食い入るようにメモしていらっしゃいます。そして、少しずつ軟化してこられ、反論はするものの、「言っていることはわかりますが」と言葉が変わってきました。

そしてたまたま、その方のロールプレイが講座の最後になったのです。そして全員が驚き、感動したのです。

それは私が伝えていったことをうまく取り入れて素晴らしいロールプレイを見せてくださったのです。ご本人の自己評価はよくなかったのですが、全員が絶賛し、認めました。

人はこんなに成長するのだ!と本当に嬉しく、べた褒めしました。

さすがに、その方も嬉しさがにじみ出ておられました。控えめに、「今日一晩考えたいと思います」とおっしゃり、とても低姿勢になったのです。誰もがこのような展開になるとは思っても見なかったことです。

これが私の今日とても嬉しかったことです。人の成長を見ることができるからこの仕事が好きなんだなと再確認させられました。

受検者の方は、ロールプレイの見取り図と、ロールプレイの見本で、1日目に自分の課題がはっきりと理解でき、2日目に自分を枠を超えようとチャレンジし、その中で否定的になっておられた方が、なんと一番変わり全員が喜んだという学びの場でした。終了時にはそれぞれが、やる気満々で課題を抱えて帰られました。

コロナ禍でありましたが、北海道から大阪までご参加いただいた方もいらっしゃいました。本当にありがとうございました。

否定的な方は、これまで様々な部分のフィードバックを受けたこと、試験に何度も落ちたことで自尊心が傷つけられていたのだと思います。それも理解していました。ですが、心理的に子供パーソナリティーは成長させるべきだと思います。その方は精神論とおっしゃいましたが、基本的態度の評価区分にもあり、自分の感情と相手の感情に気づくことは指導者レベルでは必要なことです。それを乗り越えてこそ、人は成長すると思います。

個人のZoomレッスンがもう少し続きますが、是非受検者の方は、最後の最後まであきらめずにやり切ってくださいね。

公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子

 

第10回 1級キャリアコンサルティング技能検定 面接対策 指導者としての軸

今週が1級キャリアコンサルティング技能検定 面接対策講座の最終の2日間になりますので、できる限り支援させていただきたいと思います。

私は、1級の受検者の個別指導をするにあたり、受検者に参考となるように、面接の見取り図と合わせて、私のロールプレイを見ていただいたり、各ケースの指導者視点の捉え方、どう展開して行ったらよいかをある程度お伝えするのですが、「こう言えばいいのですか」とか「これはダメなのですか」という質問であったり、言い方の部分だけ真似る方がいらっしゃいます。

もちろん、最初はモデリングしていただくことは、早道かもしれないのですが、うわべだけでは、1級になったときに困ってしまいますので、受検者の方の捉え方を指摘させていただき、「意味」を考えていただくようにしています。

指導者のレベルですから、「なぜ指導者がそれを言うのか」が指導者の中で明確でないと、うわべだけになり、誠実ではなく、指導者の基本姿勢としては不十分です。

ですので、自己紹介で何をいうことが良いのかということに関して、受検者が普段自信をもって相談者と向き合えている関わり方を言葉にしていただけるように受検者の強みを引き出しています。

個別指導でしかできませんが、引き出された方は、大変喜んでおられました。ですので、受検される方は、ただ来談茶中心療法と折衷でというありきたりのことでよいのか、考えてみて下さいね。

今回引き出した受検者の強みは「相談者の準拠枠にそってお伺いすることと、その方にとって必要なことは、タイミングをみてしっかり伝えること」だそうで、これだったら、自信を持って言えますとおっしゃいました。

ではそれを最初の自己紹介に入れて、「~今日の事例指導でも、必要なことはお伝えしますね」というフレーズにしました。

そうすると、自分でも自信をもって指導に入れますし、途中の指摘もしやすくなりますね。

実はその方は、ロープレの中で、唐突に言ってしまうという癖があったのです。その癖の修正は別の問題でもあり、スキルを向上させることは必要ですが、それぞれの指導スタイルを確立してく上で、その方の強みを活かして指導していくことは大切なんです。

指導者の軸を持てていますか。

皆さんも今回のケースのロールプレに慣れたら、再度全体のご自身の関わり方を一つ一つ客観視して「意味」を考えてみて下さい。

私は指導するときに気を付けていることは「指導者となる方に、何をどうお伝えしたらフォローできるのだろうか」と考えて指導しています。

公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子

 

第10回 1級キャリアコンサルティング技能検定 面接対策 事例指導の進め方

 1級キャリアコンサルティング技能検定試験前の指導も活況を呈してきました。

さて、皆さんのモチベーションはいかがでしょうか。もしかすると何度も受けている方が、「あーまた今年もか」とモチベーションを下げている方、またあることがきっかけで、最後まで頑張ろうと試行錯誤している方もいらっしゃると思います。

私の受講生は、最後のがんばりをしようとしていらっしゃいますが、できれば、準備は早くから、何度もすることが重要です。

専門的にいいますと、脳内のニューロンと呼ばれる神経細胞シナプスを介して情報伝達を行っています。新し経験や体験をすることによって、脳が活性化され、シナプスの通りがよくなって情報を伝えるようになるからです。しかし、使われないと忘れるということが起こります。ですから、脳内のネットワークをどれだけ繋いでおくことができるかは、日頃からどれだけ脳を柔軟に使っているかなのです。

私の好きな言葉「準備をしたもの者に紙が舞い降りる」晴山陽一先生の言葉です。

経験・体験からも本当にそうだなと思います。1級は年1回で、実技の合格率は約5%です。用意周到な準備が必要だと思います。

さて、前置きが長くなりましたが、ロールプレイで受検者が難しいと感じることの1つに目標設定がありますが、そのあたりで「一般化をしないとだめだ」という指導を受けている方がいますが、それにこだわる必要はありませんよ。

事例指導の目的

相談者に対する面談過程、事例の見立てや対応方針、組織への旗r気かけ、リファーやコンサルテーション、事例相談者に不足する態度、役割意識、知識やスキル等について、気づきを促し、情報提供や助言を行う。

事例指導の進め方

受検者が事例指導者として、最初に自己紹介します。受検者は、ご自身の専門領域や理論的な立場などについて1分程度で説明し、事例相談者に対して事例内容についての説明を求めてください。事例指導では、事例相談者との間に教育指導関係を築き、事例を通して事例相談者の問題を把握し、事例相談者に対する育成的な目標を設定するなど、具体的な指導を行うよう心がけてください。

となっています。

確かに、合格本(完売終了)には、制度設計の内容を書かせていただきましたが、上記の目的、進め方が現在の試験概要となっていますので、一般化に縛られている受検者は気にしなくても結構です。

目標設定ができないのは、指導者視点が弱いからです。ですが、これは半分答えが書いてあるのです。そこを深く読み解かないといけないですね。深く読み解くとは、4つの評価区分、キャリアの6ステップの自己理解ができていない、システマティックアプローチの目標設定ができていないというような浅い読み解きではありません。また、指導のときに、「ここができていませんでしたね」という指導でもありません。どうやったら一貫してCCを助けてあげられるかの指導を忘れないでくださいね。

それから、CLが感じたことなのか、CCが思ったことなのかを聴き分けられていない受検者も多いですが、これは中級レベルかもしれないと前回に指導で感じました。ロールプレイの中でも、とても細かいところまで押さえなければならないからです。

今回はあと1つ、1つ1つの質問から、事例相談者の理解のレベルを確認せずに進めていらっしゃる方は、目標の共有が図れないということです。事例相談者の理解のレベルのを考えながらの質問は、意外と上級レベルかもしれないです。

まだ時間はありますので、それぞれが年1回の受検に向けてがんばってください。

コロナ禍で、対策講座はZoom対応になりそうですが、精一杯支援いたします。

公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子

 

 

 

 

 

第10回 1級キャリアコンサルティング技能検定 面接対策 ロールプレイ成長課題への働きかけ

先日は、ロールプレイの約15分までに行うこと、CL像とCCの対応をアセスメントすることをお伝えしました。

そして、それと同時に、SV視点を捉え、次の展開に移ります。

❽成長課題への働きかけ 促し、示唆、提示、教示  です。

ここは、カウンセリングをされている方であれば技能を取得されているので難度は高くないですが、ほとんどの方が難しいと感じるところです。

受検者の経験がある方は、事例相談者から「具体的にどうしたらいいんでしょう」と聞かれたことはないでしょうか。

それは、事例相談者のレベルに合わせた問題の共有がなされないまま、進めているからです。前半ではCCのことを褒めていた受検者が、時間を気にして、急に教示に入るというパターンが多いようです。

このプロセスは、事例指導をする上で、とても丁寧に進めなければならないところです。促し(事例相談者に考えさせます)それで出てこなければ、示唆、提示してもよいと思いますが、あくまでも気づきを与えるです。

Zoom講座では、著書にありますように、5つのパートに分けて説明しますので、その方の課題がはっきり見えてきます。手取り足取りになり、セリフとして捉えて真似る方もいますが、試験前ですから、いたしかたないかなと思います。

それから、気づきを与えた後は、必ず目標を設定してくださいね。それなしに、教示している方もよくお見受けしますよ。

目標は(~では(例:せっかくの助言が相談者に伝わらなかったようでしたので、伝わるように一緒に考えていきませんか)等です。

次の段階は、目標設定した後、事例指導者側に指導できるプランがなければ、伝わらなくなりますけれど。

具体的展開にありますね。事例相談者に対して、適切でわかりやすく、理論的、具体的な説明を行うことができる。です。

公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子

 

第10回 1級キャリアコンサルティング技能検定 面接対策 事例アセスメントについて

昨日は、場面設定に関してお伝えしましたので、今日はロールプレイの前半で越えなければならない「事例のアセスメント」についてお伝えします。

その前に、試験前ですので、今更かもしれませんが、自己紹介についても見直していただくとよいと思います。1分の自己紹介で「何を何のために伝えるか」を自分に問いかけてみて下さい。指導者だからといって、すべてできなくてもよいのですが、例えば大学生のカウンセリングを実施している指導者のところに、企業の事例をもって来られたら、事例相談者はどう感じるでしょうか。また、普段経営者の方々や企業でキャリアコンサルティングを行ったり講師をしている方のところに、大学での事例相談に来られた事例相談者はどう感じるでしょうか。細かいことですが、あくまでも事例相談者が安心して積極的に事例相談ができる環境設定を考えた自己紹介が必要です。それを強調するよりも、事例指導者の専門性をいかにロールプレイに反映させるかを考えてくださいね。

さて、本日の「事例アセスメント」のお話ですが、ここは問題把握に繋がる大切なパート(合格テキスト2-1)になりますが、ここで躓いている人がとても多いのです。

それは、無意識に2級技能士の構造と同じように進めてしまっていることが挙げられます。感覚的には相談業務ですので、そうなってしまうのだと思います。しかし、2級と1級の構造は違います。(合格テキストP19)

CL像はCCから語っていただくことでしか把握できないこと、またCLにCCがどう対応したのかが、CCのレベルによって、事例指導者に整理して伝えることができているかによって、進み方が変わってきますので以下が2点が大切です。

❶CLが言ったこと、思ったことなのか、CCがどう考えて、どう対応したことなのか、どう思ったことなのか、ということが聴き分けられるようになることです。(カウンセリングの技術 )

例えば、CCが「私は○○が大切だと思って△△と提案したんですね」と言った場合、絶対にスルーしてはいけない(合格テキスト:対話の流れを保留する技能)です。

❷そして、そのCCの提案とCL像への提案として妥当だったかの視点が指導者として持てているかということです。

上記がしっかりできていれば、事例指導者としての問題把握の力があるということになります。

❶と❷に関しては、指導者として新たに学ばなければならない技術です。

そして、❶❷ができた上で、次の合格テキストパート2-2成長への働きかけ(促し・示唆・提示・教示)に進めるのです。

まだ練習する機会がある方は、前半で躓いていないか確認してみて下さいね。

明日は、パート2-2の成長課題への働きかけをご説明しますので、試験のチェックにご活用ください。

 

公認心理師 1級キャリアコンサルティング技能士 精神保健福祉士 内藤友子